法人として活動しているエンジニアが、経営難などを理由に個人事業主に戻る場合に行う個人成りには決められた手順があります。
最初に行わなければいけないのが企業の解散、清算です。
個人事業主に戻るにはその時点で行っている法人の経営を廃止しなくてはなりません。
解散や清算は決定から2週間以内に法務局に足を運んで登記手続きを行う必要があります。
登記は4万円前後の費用を支払わなければいけないので、準備しておきましょう。

なお、フリーランスのエンジニアは個人の能力で収入が大きく変わるため、個人成りを決断する時点で業績が悪くてもその後の努力で経営が上向くことがあります。
経営の向上が見られた時に再び法人に戻したいと考える場合に行うのは解散ではなく休業手続きです。
休業は税務署や地域を管轄する自治体に提出する異動届出書に休業と記載するだけで完了するので費用は掛かりません。

法人としての手続きが完了したら次に行うのが個人事業主としての開業です。
個人事業主は開業届を提出しなくても活動を始めることはできるため、税務署での手続きが面倒に感じるのであればそのまま事業をスタートしても問題はありません。
しかし開業届を出しておけば青色申告特別控除、屋号での口座開設などの恩恵を受けることができます。
特別控除は税制面、屋号での口座開設は社会的信用というメリットを得られます。
個人事業主として長く活動していく上でプラスに働くケースが多いので届出をしておく方が無難です。